感じさせない作曲家、渡辺宙明。今もなお現役であり続ける。「現役にこだわっているわけではないけれど、仕事をいただいたら、曲を作るって感じです」と悠然と語る。驚くことに、今もなお自身の歯が２０本あるという健康体。「健康については研究していますよ」と東大出らしい学究肌の一面がのぞく。「スクワットを１０回な

メ・特撮音楽の巨匠、渡辺宙明（９２）といえば、大きな特徴のひとつが、「秘密戦隊ゴレンジャー」（１９７５年）での「バンバラバンバンバン」や「鋼鉄ジーグ」（同）の「バンバンババン」といったおたけびにも近い“スキャット”のフレーズだ。「ジーグの“バンバンババン”はもともと歌詞に書いてあったんだよ。でもゴレ

して知られる作曲家、渡辺宙明（９２）。彼の音楽の原点はいったいどこにあるのか。「うちは音楽的な環境がいいわけじゃなかったからね。作曲家になれるかなんて分かるわけがないから、僕がピアノを習い始めて、一生懸命になると、母親が『やめて、勉強しろ』と言ったんだから」映画音楽に目覚めたのは、中学生のころに見た

して知られる作曲家、渡辺宙明氏（９２）。初めて手がけた子供向け番組が「人造人間キカイダー」（１９７２年）だ。時は“変身ブーム”のまっただ中だった。「東映さんからテレビドラマの仕事の話が入ったので、大人の番組だと思い、打ち合わせに行ったんですよ。で、渡された企画書と台本が『人造人間キカイダー』だったん