加藤初さんはマウンド上でポーカーフェースに徹し、喜怒哀楽を出さずに「鉄仮面」と呼ばれた。西鉄では７２年新人王。７６年にトレードで巨人に移籍すると、４月１８日の広島戦でノーヒットノーランを達成した。同年に１５勝をマーク。前年最下位だった長嶋茂雄監督の初優勝に貢献し、ミスターは「頼りがいのあるピッチャー

くなった元巨人投手・加藤初さんの思い出を記しておきたい。加藤さんがユニホームを脱いだ１９９０年、縁あって引退手記の構成を務めることになった。要するにゴーストだ。夕刊紙に連載されたこの原稿が廣済堂出版の社長の目に留まり、翌９１年に新書で出版された。タイトルは「巨人軍仲よくするより強くなれ／風雲熱投１９

誰よりも激しい闘争心を持ちながら、それを内に秘め…。まさに「男は黙って」を地でいく人だった。入団したのは黒い霧事件で主力がいなくなった西鉄。負けん気が強い性格を知っていた河村英文投手コーチは、先に入団していた東尾修さんと競わせるため、こんな言葉で加藤さんの負けじ魂に針を刺し続けた。「トンビ（東尾さん

◇加藤初氏死去「初っちゃん」とは現役時代、よく一緒に怒られた。西鉄は「黒い霧事件」で投手が抜けたばかり。入団は私の方が３年早かったが、２人とも当時の河村英文コーチに鍛えに鍛えられた。内角を攻めろとの教えも受け毎日のように投げた。正座でしかられたこともある。勝ち星も競い合ったし、負けられないと思ってい

２０日、元巨人投手の加藤初氏が死去したことを受けて、球団を通じて哀悼のコメントを発表した。「寡黙で決して派手さはありませんでしたが、速い直球とフォークで常にいいピッチングをしていました。西本君や江川君を始め当時の強力な巨人投手陣の中でよく頑張ったと思います。若くして亡くなられ残念です。謹んでご冥福を

死去した元巨人投手・加藤初氏（享年６６）の訃報を受け、球団を通じて以下のコメントを発表した。「１９７６年にトレードで入団して１５勝を挙げ、ノーヒットノーランも達成しました。私が監督１年目だった１９７５年の最下位から、翌年に初優勝できたのは『初っちゃん（はっちゃん）』の活躍があってのものでした。とにか